2024年10月26日

⚾SMBC日本シリーズ2024の勝敗予想の件を前振りに、金田一 和穂「あなたの日本語だいじょうぶ?」

本日(10/26)から「SMBC日本シリーズ2024」開幕(横浜スタジアムにて18時30分試合開始)。
解説者予想もソフトバンク日本一(ベイスターズの場合は「日本シリーズ優勝」が正確な言い方?)が多数派…
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個人的にもソフトバンクの4勝1敗と予想しますが、それは東が先発した試合にDeNAが勝った場合で、東でも負けた(あるいは東が登板しないの)ならスイープの可能性も…
(個人的希望としては、DeNAが4勝3敗で日本シリーズを制して世間が「日本一」と言っているのを「日本一やないで、『日本シリーズ優勝』やで」と突っ込んで回りたいんですが…)
ということも踏まえて、日本シリーズ関連のさらに詳しいことや他の⚾系の方々の見解等はこちらをご覧いただくとして、
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明日(10/27)のスポーツ紙一面は、ほとんどこっちの方?(ただし、九スポを除く)
それはさておき、本題の読書感想文シリーズへ。

あなたの日本語だいじょうぶ? - 金田一秀穂
📖あなたの日本語だいじょうぶ?/金田一秀穂

著者は祖父から3代続けての国語学者
ことば探偵 金田一京助の秘密 - 郷原 宏
(祖父)金田一京助
美しい日本語 (角川ソフィア文庫) - 金田一 春彦
(父) 金田一 春彦
現代用語の基礎知識 2024 - 小泉悠, 鶴岡路人, 安田菜津紀, 水無田気流, 塚田穂高, ほか
そして著者は現代用語の基礎知識 2024」の世相語ジャンルを執筆。
発本書にはこれらの言葉は載ってませんが…

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📖金田一秀穂/あなたの日本語だいじょうぶ? SNS時代の言葉力暮らしの手帖社
巷の日本語は不思議でいっぱい!常に新しい言葉を「採集」し、検証しながら使っていく価値があります。当たり前のように使ってみれば、そこに人間が持っている「気配」が生じる。
Zoom、LINE、メール、Twitter…。ネット社会の言葉の伝え方。
あなたの気持ちはしっかり届いていますか?

【目次】
まえがき

第1章 失われた気配

第2章 これからの日本語

第3章 リモート時代の日本語力

第4章 不思議な巷の日本語
「回らない寿司屋」「二刀流」「あいうえお」「みだりに」「○活」「2回目」「経験値」「落としどころ」「投入金が不足しています」「歯磨き粉」「高級食パン」「激おこぷんぷん丸」「っす」「ダム汁」「痛っ」「ダメ出し」「日本語の壁」「うれしみ」「大器晩成」「ブースター」「潤い」「すみやかに」「そだねー=v「井の中の蛙」「まじまんじ」「て」「乾物屋」「パリピ」「忙しい」「気もい形容詞」「高輪ゲートウェイ駅」「負けず嫌い」「アポ電強盗」「万葉集」「気分」「無理」「真逆」「打ち言葉」「肉肉しい」「身の丈」「にわかファン」「ワンティームの光と影」「聖地」「Jリーグ様」「不要不急」「ネコハラ」「スピード感」「面目ない」「街の声」「盛りは後になってわかる」「会食」「自己判断」「言霊」「小言」「昭和」「心が折れる」「そうめん」「出口戦略」「理解を願う」「フィルターバブル」「ハマる」「正解」「バールのようなもの」「成人」「やはり」「ゲリラ豪雨」「おしゃか」「卒業」

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
金田一 秀穂キンダイチ ヒデホ
1953年東京都生まれ。祖父の金田一京助(言語学者)、父の金田一春彦(国語学者)に続き、自身も日本語研究を専門とする言語学者。東京外国語大学大学院を修了。その後、中国大連外語学院、コロンビア大学などで日本語を教える。1994年、ハーバード大学客員研究員を経て、杏林大学外国語学部教授。2018年度より山梨県立図書館館長。現在、杏林大学名誉教授。現代用語の基礎知識選「ユーキャン新語・流行語大賞」選考委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【2023年7月発行/2024.6.10読了】
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【備忘録】
まえがき
・言葉は、いつも耳慣れないものが生まれては消えていく
・昔からあった言葉に、従来と違う意味を与えられることもある
・コロナ禍で「リモート」が世の中に蔓延すると、今まで普通に行われていたことにわざわざ「対面」を付け加えなければならなくなった

第1章 失われた気配
・リモートには「気配」がないゆえに、何かが足りない
・作品というものは、奥が深ければ深いほど、ダイジェスト化が難しくなる(著者いわく「空虚なタイパ」)

第2章 これからの日本語
・生成AIで作ることはできても、作ったものを評価することができないゆえ、「気配」に注目したい

第3章 リモート時代の日本語力
・話したり聞いたりする力を外国語学習に重点を置いているのが不思議で、肝心なのは母国語である日本語についての話す力聞く力の方であるが、貧しいとしか思えない
・人の話を聞く気がない。ちゃんと答えようとしない。言葉を大切にしない。言葉をいい加減に扱うことは、特に政治家には許されない
・今の若い人たちは、書くのが早くて、文章が短い(スピード重視)。ただし、興味の範囲が狭い
・情報量が増えすぎて、騙される機会が恐ろしく増えているゆえ、メディアリテラシーが大事
・スマホ(ネット)で提示された情報も、必ずしも正解とは限らないことをよく認識する必要あり
・教師は学生に、日常を観察すること、当たり前のことに疑問符を与えて考えさせる必要がある
・表現手段は自由
・図書館はすべての市民に開かれた屋根のある広場になりうる
(共有空間であることが図書館の使命)
・日本語を大切にするというのは、正直な言葉遣いをすること

第4章 不思議な巷の日本語
・投手としても打者としても非常にすぐれた能力を発揮する大谷さんを「二刀流」と呼んでは実績が矮小化されるような気がする
(画家&彫刻家のミケランジェロや漫才師&映画監督の北野 武らを「二刀流」とは言ってないではないか)
・「経験値」とは、気にしなくなれる能力のこと
”オタク”と”マニア”の違いに関する私的考察(note by そう)
→「オタク」の辞書での意味合いは、「あることに過度に熱中していること、またそうした人」というものです。
→「マニア」とは、「あるものごとに熱中している人」という意味の言葉
→言語学の分野では、「オタク」は「1つのものごとにしか興味がない人」を指し、「マニア」は「1つのものごとに集中する人」を指すという違いがあるようです。
(そう氏の解釈)
→「マニア」って研究者に近い印象で対象に関する知識や情報を収集することはするけれど熱を持って追いかけたりということではない。淡々と研究者のように対象を追求する。
→「オタク」は対象を追いかけ、狂信的な熱を持って執着する。
・「ダメ出し」を恐れず、より良い結果を出すための異見を尊重すべし
・日本語は、日本人によって大変特殊であると信じられていることが、世界的にもたいへん稀な言語
・聞こえたまま外来語にした方が、英語として通じるのでは?
・時代が変わっても、悪事にまつわる言葉は増えて欲しくない
・「無理」を「できない」「不可能」という意味合いではなく、「嫌だ」の代わりに使ってないか?
「真逆(まぎゃく)」は若者ことば?(NHK放送研究所)
・「正反対」では反発し合ってしまう。「真逆」は補完し合って妥当な方向に進むことができる
・「肉肉しい」〜初見でも意味がわかり、同じ言葉をつなげると新しい味覚表現になる
・「身の丈」〜本来は「身長」のこと。「分際」の意味合いも加わった
・「聖地」は追体験できる場所
・「Jリーグ様」〜組織名にも敬称をつける。相手を高めるという以前に、使わないと失礼になってしまうという性質になってしまった
・「不要不急」は自分で決めるべき
・「ネコハラ」
・「スピード感」〜速いように見えるようにしたい
・「街の声」は、報道局に都合のいい声
・「自己判断」=人智が及ばないことは自分で決めていく。同調ではなく寛容
・「心が折れる」〜本物は心なぞ折れない
・「理解」はしても「承認」ではない
・意見と事実を区別し、事実には従い、意見は疑う
・「正解」は1つではない
・「やはり」は世間を味方につける便利な言葉
・「卒業」は一人前になった証であって欲しい言葉


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posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 12:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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