2025年01月21日

大前研一「世界の潮流2024-25」←著者はトランプ当選の可能性は低いと言ってたのに…+α

本題に入る前に+αは米国トランプ大統領就任(4年ぶり2度目)の件
大前研一さんは米国大統領選挙前にはこう言ってたのに…
という流れでこの本。
世界の潮流 2024‐25 - 大前 研一
📖世界の潮流 2024‐25 - 大前 研一

本書の「まえがき」に書かれている「2023年は、独裁化した『マッドマン(狂人)』たちによって、各国で右傾化がさらに進行し、世界情勢は混乱を極めた」件。
その『マッドマン』の一例として前書きではベネズエラの二コラス・マドゥロ大統領。
第1章では三大暴君として、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩総書記について記述。

・ロシア/プーチン大統領
→「暴君が暴走したら何が起きるか」という実例を示した

・中国/習近平国家主席
→ 異例の3期目に突入。台湾問題で武力行使を放棄しないと宣言

・北朝鮮/金正恩総書記
→ ミサイル発射実験を繰り返す

一方、本書の第5章で「アメリカ大統領選挙」に関しては、本書校了時点(2024年3月末)でまったく予想不能とし、その理由として
・ジョー・バイデン(当時の)現大統領は高齢で何を言っているかわからない
>大前さんの方がもっとご高齢なのに(^_^;)
・カマラ・ハリス副大統領(当時)に差し替えてもまったく支持が得られない
・ドナルド・トランプ氏は、サプライチェーンもまったく理解していないし、パフォーマンスだけの人
ということで、本書では新たな存在の出現に期待していたわけですが…

(本書上梓後)新たな存在は結局出てこず…
(『プレジデント』誌 2024年9月13日号を基に編集)
「弁舌の巧みさ」と「副大統領候補」の点でハリス有利と大前氏は予想したもののハズレ(^_^;)
「トランプ氏が選ばれたことは世界的にも大災害」と評価しているので、(その評価が外れて欲しいとは思うものの)次の著書ではアメリカのトランプ大統領(2025年1月〜)も暴君入り確実かもしらんけど…
トランプ再熱狂の正体(新潮新書) - 辻浩平暴君誕生――私たちの民主主義が壊れるまでに起こったことのすべて - マット・タイービ, 神保哲生日本の論点2025-26 - 大前 研一
「日本の論点」シリーズは2025-26版まで出てますが、「世界の潮流」シリーズの本書よりさらに新しいものはこれからの模様
(例年通りなら3月末時点までの情勢を踏まえて、5月に発行か?)

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📖大前研一「世界の潮流2024-25」(プレジデント社
◇内容紹介(出版社より)
中東情勢/ウクライナ侵攻/中国経済危機……
独裁化するマッドマンたちのフェイク情報を見破れ!
マッキンゼー伝説のコンサルタントが、混迷する世界情勢を誰よりもわかりやすく分析!

「2時間でわかる世界情勢」をコンセプトにした『大前研一 世界の潮流』シリーズの最新刊が、今年は四六判にサイズアップして登場。
和平交渉が進まないまま周辺諸国への飛び火が懸念されるイスラエルとパレスチナの武力衝突、3年目を迎えても終息の目途が立たないロシアによるウクライナ侵攻、不動産バブル崩壊で深刻度を増す中国経済危機。そして、世界各国で続々と誕生している独裁的リーダー(マッドマン)たち。いま、世界で何が起こっているのか?
本書は読者が現在の世界情勢を正しく理解するためのさまざまな視点を提供。約50点に及ぶオリジナル図版を使ったビジュアル解説で、誰でもわかりやすく理解可能です!

◇目次(「BOOK」データベースより)
第1章 混迷を極める世界情勢ー独裁化したマッドマンと止まらない右傾化
(世界に広がる独裁化した「マッドマン」/右傾化が止まらない世界の現状 ほか)
第2章 リセッション入りする世界経済ー過剰債務とインフレが回復を阻害する
(鮮明となった先進国と新興国の成長率の差/くすぶり続ける世界経済の阻害要因 ほか)
第3章 凋落する日本ーGDP世界第4位からの回復をするための処方せん
(GDPの推移に見る日本の没落/「G7/先進国」から凋落する日本の現状 ほか)
第4章 中国の最新動向ー孤立化する習近平のジレンマ
(深刻化する習近平と共産党が抱える問題/「独裁者のジレンマ」にハマる習近平 ほか)
第5章 2024年の世界はどうなるかー日本が今すぐ取り組むべき課題
(混迷の2023年を受けて、2024年はどうなるのか/選挙イヤーの2024年、世界情勢に影響を与える可能性も ほか)

◇著者情報(「BOOK」データベースより)
大前研一(オオマエ ケンイチ)
早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長。「ボーダレス経済学と地域国家論」提唱者。マッキンゼー時代には、ウォールストリートジャーナル紙のコントリビューティングエディターとして、またハーバードビジネスレビュー誌では経済のボーダレス化に伴う企業の国際化の問題、都市の発展を中心として広がっていく新しい地域国家の概念などについて継続的に論文を発表していた。経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案コンセプトを提供し続けている。経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【2024年5月発行/2024.11.24読了】
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【備忘録】
第1章 混迷を極める世界情勢ーー独裁化したマッドマンと止まらない右傾化
大国の右傾化が止まらない
world-becoming-right-wing.png
>右傾化の流れの中でトランプ再選の可能性あり→ 当選しました
→大前研一「プーチン亡きあと、ロシアが5つ程度の地域に分かれて群雄割拠の(内戦に近い)状態が続くのではないか」
インド―グローバル・サウスの超大国 (中公新書) - 近藤正規
・「新・国連」の創設〜世界の賢人を集めて「新・国連」のビジョンとアジェンダを作り、提案する
(1)国連安保理に相当する「最高意思決定機関」を作り直す→拒否権は認めない、参加しない大国には経済制裁を科す
(2)国民国家の枠を超えて”人々”に焦点を当てた仕掛けにする
(3)組織を企業でいうホールディングカンパニーのような形態にする

第2章 リセッション入りする世界経済ーー過剰債務とインフレが回復を阻害する
・くすぶり続ける世界経済の阻害要因
(1)食糧・エネルギー価格の高騰
(2)中国経済の減速〜過剰な不動産投資
(3)過剰債務〜コロナ対策等による財政出動
(4)根強いインフレ
(5)気候変動
・世界企業の業績は、金融、小売、情報通信などの業績が回復する一方、中国経済の減速により製造業が不振に陥った
・米中対立を背景に、両国との関係を等距離に保つ”緩衝地帯”として、東南アジアへの対外投資が増加している

第3章 凋落する日本ーーGDP世界第4位からの回復をするための処方せん
「G7/先進国」から凋落する日本の現状
→政治問題、経済問題、人口減少問題、企業ガバナンス問題、人材の質問題、AI時代の教育問題
>本書校了時点(2024年3月末)では「岸田政権の迷走は、内閣総辞職で総選挙に向かうパターンだ」と指摘し…
>ホンマに岸田さん辞めてしまったし(^_^;)
・AI失業時代には、子供の「質問する力」を伸ばし、AIに真似できない右脳構想力(直感的思考)を身につけさせるべきである
→左脳(論理的思考)はAIが得意な分野
>自分も文系選んでスマソ

第4章 中国の最新動向ーー孤立化する習近平のジレンマ
・毛沢東に周恩来、江沢民に朱鎔基と賢いナンバー2が必要なのに、習近平は粛清ばかり
→解決策はあるのだが、安易に手をつけると、習近平氏や共産党支配の否定につながるという根深い問題

第5章 2024年の世界はどうなるかーー日本が今すぐ取り組むべき課題
・自民党の解党的出直しを経て、「教育」「地方自治」「対米関係の見直し」「真の仲間づくり外交」といった大きな課題に取り組むべき
>「日本は観光立国となる3つの条件「安全性」「交通の便」「宿と食」がすべてそろっている」と書いてあるものの…
>本書ではオーバーツーリズムの危険性については指摘なし…
>ということで本書上梓後の記事で追記
>ただし、観光公害対策の具体的な提言はなし(# ゚Д゚)
>そこを提案するのが大前研一氏のお仕事ではないのか????
オーバーツーリズム解決論 - 日本の現状と改善戦略 - (ワニブックスPLUS新書) - 田中 俊徳観光大国スペインに見る、オーバーツーリズムの現在と未来 (NEXTRAVELER BOOKS) - 高城 剛

【参考書評等】
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【過去の大前研一氏の書評エントリー】
日本の論点2023〜24―「超円安」「分断化」を生き抜くリスキリング革命
日本の論点 2022〜23
日本の論点 2021〜22
世界の潮流2020〜21
「経済を読む力〜「2020年代」を生き抜く新常識
50代からの「稼ぐ力」
発想力 「0から1」を生み出す15の方法【新書版】
世界の潮流2018〜2019
日本の論点2017〜18
「老後不安不況」を吹き飛ばせ!
ニュースで学べない日本経済
低欲望社会
訣別 大前研一の新・国家戦略論
洞察力の原点 プロフェッショナルに贈る言葉
日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
大前研一の新しい資本主義の論点
民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論
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最強国家ニッポンの設計図
posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 11:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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