2022年01月06日

絶対に挫折しない日本史/古市憲寿

絶対に挫折しない日本史(新潮新書) - 古市憲寿
📖絶対に挫折しない日本史(新潮新書)

自分自身は「第一部 通史編」の通読には(仕事その他で読む時間が取れなかったのもあり)時間がかかったものの、「第二部 テーマ史編」は休みの日にトイレに籠もっている間にサクサクと読めて、挫折はしませんでした。

年号も固有名詞もあまり出てこないのがよかったのだと思います。

「まえがき」にあるように、通史では5つのポイント(時間感覚)を押さえておけば良し。

1.約4万年前、日本列島に人類が到達した

2.西暦700年頃、「日本」という国号が生まれ、国のトップを「天皇」と呼ぶように

3.西暦1100年頃、「古代」が終わり、権力者もバラバラのカオスな時代「中世」へ

4.西暦1603年に江戸時代が始まり、緩やかな成長が続く

5.西暦1868年の明治時代以降、国家は一気にまとまる。一般的にここから「近代」

こうして見ると、歴史とは集中と拡散を繰り返しているようにも感じますが、その流れでいけば今後は過度なグローバル化に対する弊害やそれへの反省から、今後はグローバル化でしやすくなった情報共有のメリットを活かしつつ、分散化の時代へ移行していきそうな気がしますが…
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📖古市憲寿/絶対に挫折しない日本史新潮新書
大河ドラマや歴史小説は好きだけど、古代から現代までの日本の通史となるとちょっと自信がない……そんな人は少なくない。覚える用語が多すぎるうえ、ヤマもオチもない歴史教科書に挫折してしまうのだ。だが、思い切って固有名詞を減らしてしまい、流れを超俯瞰で捉えれば、日本史は、ここまでわかりやすくて面白くなる! 歴史学者ではない著者だからこそ書けた、全く新しい日本史入門。

【目次】
まえがき 人はなぜ日本史に挫折するのか
日本史教科書がつまらない理由/面白い日本史が読みたい!/歴史の本を楽しく読むコツ

第一部 通史編
1 いつ「日本」は誕生したのか(旧石器〜縄文)
日本誕生前史/縄文時代は列島中すかすか/本当は怖い邪馬台国
2 古代政権はフランチャイズ運営(弥生〜平安)
無駄に大きなお墓を作った理由/大和エリアに「国家」があったのか/本部のフランチャイズつぶし/古代の国土統一戦争?/日本が中国の軍門に降った理由/「日本」という国号の秘密/納税は「神頼み」の延長/外圧の生んだ「強い日本」/早くも「強い日本」崩壊か
3 中世は「小さな政府」の時代(平安〜戦国)
治外法権が続々と誕生/喉が嗄れるまで歌い続けた上皇/誰が一番偉いのか/小さな政府の時代/民間人の大活躍/農民たちの生活革命/異常気象が戦乱の世を招いた
4 国家による暴力の独占(戦国〜江戸)
修羅の時代を生き抜く知恵/独裁者でもいないよりはマシ/かなりグローバルな戦国時代/江戸時代の人口急増/江戸と明治は断絶か連続か/江戸は暗黒時代だったのか?
5 「国民国家」という新システム導入(江戸後期〜明治)
江戸後期はほぼ近代/食料自給率100%の恐怖/江戸時代に「日本人」はいなかった/「国民国家」という人類の大発明/馬より速い乗り物がなかった時代/戦争に強い国を作ろう
6 「拡大」の季節と近代化(明治〜昭和)
どうして海外なんて行くの?/日本も乗り遅れるな!/極東の島国から「海の帝国」へ/昭和8年に返りたい/あの戦争、実は負けて良かった?/経済大国・日本のルーツ/「縄文顔」も「弥生顔」もいない
7 日本はいつ「終わる」のか(平成〜未来)
あの頃、女子高生が注目を浴びた理由/第3次ベビーブームは起こらなかった/「呪い」のオリンピック/新型コロナウィルスは社会を変えるか/2024年問題と2042年問題/実際の未来はどうなるの?/日本に革命は起こるのか/日本列島が消滅する日

第二部 テーマ史編
8 コメと農耕の日本史
コメがなかった稲穂の国/農耕革命の発生/列島の農耕はいつ始まったか/ついに稲作は始まったけれど/農業は不幸の始まり/コメが主食になったのは100年前/糖質制限ダイエットの大流行
9 神話と物語の日本史
セックスから生まれた日本列島/世界の神話はたった二つに分けられる/文字なき時代の物語/残された都合のいい物語/最も日本が一神教に近付いた時代/失われた物語
10 土地と所有の日本史
どうして土地を自由に使えない?/「のび太の土地」に危機到来/「すべての土地は天皇のもの」?/不自由、だからこそ平等/先祖代々の土地って本当?/九州の面積以上の土地が持ち主不明/人が去り、街は崩れる
11 家族と男女の日本史
家族はいつ始まったのか/「夫婦」が葬られた古墳はほとんどない/日本にも存在した一夫多妻制の真実/平和な江戸時代、女性の地位が下がった/男色が大流行した江戸時代/実はラディカルだった「生産性」議員/家族の未来と生殖の未来
12 未来と予測の日本史
時代は回る? それとも進化する?/聖徳太子の未来予想/平安貴族も恐れた「世界の終わり」/客も遊女も高齢者ばかり? 江戸の未来予測/ユートピアは未来にある/「人間の不安は科学の発展から来る」?/未来は時代に束縛される
13 戦争と平和の日本史
平和な縄文時代、危険な弥生時代/驚くほど戦争の少ない古代日本/「強い日本」の誕生と終焉/「神風」は吹かなかった/異常な大日本帝国時代/そして「平和」に平成は終わる/「平和」は訪れたが「戦争」はなくならない/未来の戦争はどうなるのか
14 歴史語りの日本史
歴史語りはかくも難しい/戦前は「縄文時代」なんてなかった/おじさんが明治維新を愛する理由/歴史教科書に書かれていることは本当か/歴史とは、権力を示すための装置/トンデモ解釈の歴史/「お国」のための歴史教育/現代人が『日本書紀』を読める理由/そして歴史は続いていく

あとがき

【著者プロフィール】
古市憲寿(フルイチ・ノリトシ)
1985(昭和60)年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。日本学術振興会「育志賞」受賞。若者の生態を的確に描出した『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。他の著書に『誰の味方でもありません』『平成くん、さようなら』など。
【2020年9月発行/2021.9.5読了】
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【備忘録&参考事項】
第一部 通史編
2 古代政権はフランチャイズ運営(弥生~平安)
・古墳建設のメリットは新技術の獲得と権威付け
・前方後円墳が作られなくなったのは、大和政権の統治システムが整備され、シンボリックな建造物を作る必要がなかったため

3 中世は「小さな政府」の時代(平安~安土桃山)
・中世の上皇は、今のイメージで言えば「社長よりもやり手の会長」
・中世は中心が1つではないからわかりにくい

4 国家による暴力の独占(戦国~江戸)
・現在でも国家の本質は「暴力の独占」
・戦国時代に戻りたくない庶民の心の武装解除

5 「国民国家」という新システム導入(江戸後期~明治)
・食料自給率100%の江戸時代は、天候不順に極めて脆弱な社会
・江戸時代には「日本人」のアイデンティティはなかった。せいぜい「藩」レベルの帰属意識止まり
現代語訳 学問のすすめ (ちくま新書) - 福澤諭吉, 斎藤孝

6 「拡大」の季節と近代化(明治~昭和)
・産業の規模が大きくなると、原材料の調達も、製品の販売も一国ではまかないきれなくなって拡大路線へ
・当時の日本でも経済合理性よりも「国防」優先
・太平洋戦争に向かう選択は、他の選択肢に比較して目先のストレスが少ない道だった

7 日本はいつ「終わる」のか(平成~未来)
・第3次ベビーブームは起きなかった
(091)超少子化 (ポプラ新書) - NHKスペシャル「私たちのこれから」取材班絶望の国の幸福な若者たち (講談社+α文庫) - 古市憲寿日本再興戦略 (NewsPicks Book) - 落合陽一
・社会の機械化が進んでも、元の職場から完全に人が消えるわけではなく、新しい仕事が次々に誕生することが予測される
・革命やデモが頻繁に起こるのは国内に若者層が多い時期。高齢化が進む日本では起こることは考えにくい

第二部 テーマ史編
8 コメと農耕の日本史
・定住には排泄物による環境破壊問題
・コメが日本人の主食な時代はこれまでの歴史を1年に凝縮すると12月5日以降

9 神話と物語の日本史
世界神話学入門 (講談社現代新書) - 後藤明
世界神話学入門 (講談社現代新書) - 後藤明
・そもそも、ローラシア型神話は権力者に都合のいい物語
・日本に一神教が根付かなかったのは、歴史を通じて唯一の強大な政権が誕生しなかったことに無関係ではないのだろう
・日本書紀からONE PIECEまで、物語には憧れが詰まっている

10 土地と所有の日本史
映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生[映画ドラえもんスーパープライス商品] [DVD] - ドラえもん
・中世とは、中央の権力が当てにならない時代〜自力救済出来なければ、時代の有力者に土地の安全保障を依頼するしかない
地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) - 増田 寛也老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書) - 野澤千絵

11 家族と男女の日本史
・家族崩壊を唱える人が恐れるべきは、自身の頭の崩壊(^_^;)

12 未来と予測の日本史
・昔の人には、世の中がより良く変わっていくという発想はなく、季節が巡るように循環すると考えたようだ
縄文人の死生観 (角川ソフィア文庫) - 山田 康弘予言文学の語る中世: 聖徳太子未来記と野馬台詩 - 和明, 小峯聖徳太子の「未来記」とイルミナティ (ムー・スーパーミステリー・ブックス) - 市朗, 中山平安仏教と末法思想 - 速水 侑
・江戸時代までは、少なくとも建前としては、正しいものを正しく繰り返すことが政治の安定であり、何よりも「先例」重視
・未来は時代に束縛される

13 戦争と平和の日本史
「戦争と平和」の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム - 茂木 誠
・どんな独裁政権でも無政府状態よりはマシ
・日本では易姓革命を否定して、天皇家の支配の根拠を世襲とされた。さらに、軍事力を担ったのが皇族から分かれた源氏や平家であったため、「乱」程度の騒乱はあっても、国家の存亡にかかわる内戦は発生していない
・戦争はなくならないが、「ほとんど誰も死なない戦争」の時代は到来しつつある

14 歴史語りの日本史
新版 歴史のための弁明 ― 歴史家の仕事 - マルク・ブロック, 松村 剛
・しばしば歴史は後世の人々に「利用」される
・「歴」とは元々は軍功を重ねるという意味
・「史」は「神に捧げものをする史祭」に由来
六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」 (中公新書) - 遠藤 慶太
・歴史とはつまるところ、証拠と推論の組み合わせによって織りなされる叙述

【参考書評等】
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posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 06:29| 神奈川 ☁| Comment(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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